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優しい社会の一員になれますように
 誰かを批判すること、誰かから批判されること、建設的ではないこと、理不尽に感じること、意見の違いをスムーズに埋められないこと、相手から誤解されてしまうこと、相手を誤解してしまうこと、等々。

 自分のことに限らず、日々のネットニュースで目にするひどいコメント。知っている人からでも、知らない人からでも、本来なら目や耳に入ってこない事がネット社会では様々な経路でやってきてしまいます。共感力高く生きることは良いことばかりではないようにも感じる日々。自分を守ること、家族を守ること、そして他人も守ること、知らずに誰かを傷つけることがないようにすること、そんな社会にどうすればしていけるのでしょうか。

 疲れたとき小児科医はつくづく良い仕事であると感じます。目の前にいる子どもは優しい社会を構成している中心だと思います。大人のサポートがないとうまくいかないことも多く、一見弱い存在のようにも思われますが、実は一番強い存在でもあると思います。私は小児科医として日々診察をする中で子どもたちからたくさん力をもらっているように感じます。

 今年の4月に「こども家庭庁」が発足しました。そして「こども基本法」が施行されました。
《6つの基本理念》
1.すべてのこどもは大切にされ、基本的な人権が守られ、差別されないこと。
2.すべてのこどもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育が受けられること。
3.年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、社会のさまざまな活動に参加できること。
4.すべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。
5.子育ては家庭を基本としながら、そのサポートが十分に行われ、家庭で育つことが難しいこどもも、家庭と同様の環境が確保されること。
6.家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。

 こどもと大人の境目はどこでしょうか。こども基本法によると、「こどもとは、心身の発達の過程にある者」と定義されています。18歳、20歳など身体的な発達だけでは大人とは言えないようです。それでは心の発達が十分な人間は果たしてどれだけいるのでしょうか。個人的な実感としては、年齢を重ねれば重ねるほど心の退行が見られる人もいるように思います。私自身も本当の意味で大人になれているのでしょうか。こどもを守っているようで、実は大人もこどもから守られているのだと思います。優しい社会の一員になれるよう、自分の心も育てていきたいです。

 GWにこども基本法を読んでみることは良いことのように思われます。
↓こども家庭庁リンクです↓
こども基本法とは?


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[ 2023/04/29 07:30 ]

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with コロナ
 前回の記事からまたまた時間が経過し、今年もあと1ヶ月となりました。新型コロナウイルス感染症は第7波で爆発的な感染拡大をみましたが、ウイルスの弱毒化も進み、多くの感染者が感冒と同様の内服薬で自宅療養を行えるようになりました。弱毒化しても、高齢者や基礎疾患を有する方にとっては体調悪化のきっかけになることから、感染力の高さを考えるとまだまだ油断はできません。一方で全数把握の中止、陽性者隔離の緩和などがあり、ほとんどの小児や成人にとっては感染がだいぶ身近になり、今や感染を経験した方もかなりの人数になります。保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校など学級閉鎖、学年閉鎖、休園、休校などを繰り返しておりますが、お休みの日数はどんどん短縮されており、通常の行事も戻ってきています。前回の記事では小児のコロナワクチンについての悩ましさを書かせていただきましたが、ウイルスの変異がどんどん進み、ワクチンでの感染予防効果は実感できない状況となっております。生後6ヶ月からコロナワクチンが接種できるようになりましたが、接種するかしないかは本人や保護者が決めるしかない状況となっており、悩んでいる間に次々とコロナウイルスが変異・弱毒化・共生と変化していっている様に感じます。

 社会全体の緊迫感は薄れており、サッカーワールドカップカタール大会もほぼ通常通りの体制で開催されています。新型コロナウイルス感染症とのたたかいも3年を経過し、そろそろ本当のwith コロナ社会が近づいているように感じます。

 今夜は日本の第2戦。第1戦でドイツに2-1で勝利!コスタリカにも勝利して決勝トーナメントに進出して欲しいです。
[ 2022/11/27 09:32 ]

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誰もが感染し得る状況になっています。
 前回ブログを書いてからの半年間はあっという間だったように思います。11月までに成人と12歳以上の新型コロナウイルスワクチン接種を終えることができました。8月から12月まではRSウイルス感染症が流行し、年末からは胃腸炎が流行し、なかなか息つく暇が無い状況が続いています。その中で、新型コロナウイルス感染症はオミクロン株に変異してから皆さんご存じの通り爆発的な広がりをみせ、今や誰もが感染し得る状況になっています。幸いにも恐れていた肺炎等の呼吸器症状を呈する感染者は激減しており、症状的には無症状者も多く、インフルエンザよりも軽い印象すらあります。しかし、アルファ株、デルタ株のときもそうでしたが、新型コロナウイルス感染症については後遺症で苦しむ方も多く、感染後にどのような症状が現れる可能性があるのか未知の部分があります。現時点では感染することは最大限防ぐべきかと思われますので、これからもできることを少しでもやっていくしか無いと思います。成人の三回目の新型コロナウイルスワクチン接種は「感染予防」+「後遺症予防」に役立つと信じて取り組んでいきます。

 一方で小児に関しては、5~11歳の新型コロナウイルスワクチンに関して1月19日の夜、日本小児科学会と日本小児科医会が共同声明を発表しております。

日本小児科学会

日本小児科医会

 私がこの声明を読んで理解した内容としては、基礎疾患を有する小児には積極的なワクチン接種は重症化を防ぐ意義があるが、健康な小児についてはワクチン接種のメリットとデメリットがまだはっきりとしていない、むしろ副反応のデメリットの方が大きい可能性があるため、まだまだ慎重に検討を重ねる必要があるということです。たとえば今後、新型コロナウイルス感染症に罹患した場合の後遺症が大きな問題になり、小児の将来に重大な影響を与えうると分かったとしたらワクチンのメリットの方が上回るかもしれないですし、感染者総数が増加するにつれてワクチン未接種の小児において重症例が増えてくるようになればワクチン接種を積極的に推進せざるをえなくなります。今のところ、ワクチンのメリットが明らかに高いとまではいえない状況かと思われますので、今後の動向を注意深く見ていきたいと思っております。
[ 2022/01/23 14:46 ]

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コロナ禍での予防医療
 コロナウイルスワクチンの普及に伴い、新型コロナウイルス感染症の脅威は少しずつ低下してきているようにも思われますが、変異ウイルスが今後どのように拡大していくか心配な面もあります。諏訪市では体育館での集団予防接種に加えて、市内23の医療機関で個別予防接種も始まっております。当院も重症になる方が一人でもいなくなるように、集団免疫が一日でもはやく近づくようにと思い個別予防接種に参加しています。集団、個別、職域など全国的に一気に予防接種体制が進んだことで、今度はワクチン供給が追いつかなくなるトラブルにも見舞われておりますが、一つ一つの仕事を丁寧に行うことを心がけて進めていまいります。

 コロナ禍であり、外食、旅行など制限される日々が続いております。クリニックでは、スギ花粉症・ダニアレルギー舌下免疫療法やにきび(尋常性ざ瘡)の治療など年単位のフォローが必要な治療を始める方が増えています。今年は昨年流行しなかった手足口病、RSウイルスなどが広がっています。昨年流行しなかったインフルエンザに関しても今年は流行するのではないかと危惧するところです。予防できるものに関しては積極的に取り組んでいきたいと思っております。
[ 2021/07/03 04:05 ]

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WEB開催の学会に参加
 ブログの更新が大変空いてしまいましたが、元気に過ごしておりました。クリニックは季節の変わり目の感冒症状の方が大変増えております。重症化を見逃さないようにしながら、抗菌薬適正使用を心がけて診療しております。
 インフルエンザ予防接種など新型コロナウイルスの再流行に備え、今できることは精一杯行いたいと思っております。

 クリニックは2年目を迎えましたが、私は日本小児科学会、日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児感染症学会、日本小児腎臓病学会、日本小児腎不全学会に入っておりますが、本日は日本小児アレルギー学会のWEB開催に参加しています。パソコンがあれば、どこでも講演や発表を見ることができます。クリニックを休診にすることなく学会に参加できます。最新の講演や発表に触れることは大変刺激になります。開業してから目の前の仕事に全力で取り組み、なかなか落ち着いて本を読む時間も減ってしまっていましたが、時間を見つけていつでもどこでもパソコンがあれば学会に参加できるということは大変便利だと思います。11月7日からは日本小児感染症学会のWEB開催があります。秋の夜長はWEBでの勉強が捗りそうです。
[ 2020/11/03 22:02 ]

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